指しゃぶりは、発達過程の一現象で、通常幼児期後期になると解消します。1~2歳に多く、3~4歳になると減少し、5歳頃までにほとんどが消失します。指は、親指、人差し指の順に多いです。よく泣く子には指しゃぶりが少なく、あまり泣かない子に多く見られます。

指しゃぶりは、自然に解消しますからあまり心配しなくても大丈夫です。そこで、無理にやめさせようとするのは、ほかの癖に移行することもあるため好ましくないでしょう。親の愛情不足や放任などの我慢の象徴とも言われています。苦しい気持ち、悲しい気持ちが出そうになるのを、口の所で無意識にブロックしているようです。このような時は、癖のもとになっている気持ちをスッキリさせないと指しゃぶりは解消しません。2歳以下では問題にしなくていい生理現象ですが、かまってもらえない状態が続くと継続しやすくなります。

2歳から4歳は指しゃぶりがとれる時期です。一緒に楽しく遊んだり、よく話を聞いてあげたりして指を忘れさせるようにし、無理矢理やめさせないでください。3歳くらいまでに指しゃぶりを止めれば、上顎前歯が出てしまう状態が徐々に戻っていくことが多いので、心配はないでしょう。4歳を過ぎると癖になってしまうことがあります。本人に自覚させ、納得させ、子供が自分で行動をコントロールするように方向づけをします。乳歯の位置に多少影響がでても、永久歯に変わる時に戻ってきます。

6~7才になっても、まだ指しゃぶりがやめられないと明らかに悪影響が出てしまいます。小学校に入るまでには確実に治しておきましょう。もし、その時点でも指しゃぶりの習慣が続いていれば、歯と、顎に悪影響を与え歯列不正がおこります。後々、矯正治療が必要になってきます。