虫歯をどこまで削るのか、どれくらい進行した虫歯を治療するのか、実は明確な基準はなく歯科医師の主観で決定されます。

日本では虫歯を除去するのに染色液を使用している歯科医師は多数いますが、海外では色や硬さを目安にして虫歯をとる歯科医師が大多数です。


染色液は虫歯と反応するのではなく、単純に物理的に粗造な部位に色素が留まるだけなので染まった部分を削るかどうかは歯科医師の判断になります。

歯の中には歯髄というものがあります。

通称神経と呼ばれているものです。

初期の虫歯でもこの歯髄は炎症反応を起こす事もありますし、重度の虫歯で激しい痛みがあっても大部分の歯髄は健全である事もあります。

痛みだけで処置の診断をすると誤診につながる事もあります。

そのためには現在の症状を詳しく聞いたり、診査・診断を行い虫歯の除去を正確に行う事が重要になります。

私たちは虫歯治療のプロではありますが診断や虫歯をどこまで除去するのか迷う事もしばしばあります。

それは患者さんの生体の反応が多様であるため当たり前といえば当たり前ですね。

全ての患者さんに一つのことが当てはまる訳がないのですから。

毎日患者さんと接しているとたかが虫歯治療といえども奥が深く、自分達が分かっていることなんてほんの僅かなことなんだなあっていつも謙虚な気持ちになります。